【 大橋巨泉の苦言。】
日本には、最近まで、大橋巨泉という芸能人が居た。
カテゴリーで言うと、彼は、芸能界では、「司会者」 という仕事をしていた。
私は、この男がとても嫌いであったが、1つだけ感銘を受けたことがある。
それは、この男が、ラジオ番組に出演している時に、聞いたコメントである。
以下が、その時の巨泉の発言である。
「アメリカでは、芸能人のゴシップで金儲けするのは、低俗な会社がやる仕事だ。
しかし、日本では、高尚な本を出版している会社が、芸能人のゴシップ、女性のヌードが載っている雑誌を発行して商売をしている。
小学館が、子供の教材の本を売ると同時に、週刊ポストを売っている。
新潮社とか、文藝春秋とかは小説を売っているが、週刊文春、週刊新潮とかゴシップの本を売っている。
パナソニックは、世界的な電機会社だけど、『女性の性器具のバイブ』 は作らないでしょ。
日本のマスコミの会社は、恥を知らない。」
と述べていた。
私は、これを聞き、本当にそうだと思った。
日本のマスコミというのは、大手の出版社が、教科書とか、高尚な教養本を販売すると同時に、一方で、芸能人のゴシップ本を売ることにも熱心である。
芸能人の私生活を見張ったり、周辺から情報を聞き取りしたりと、実に低俗なことをやっているのである。
芸能人の私生活を見張ったり、周辺から情報を聞き取りしたりと、実に低俗なことをやっているのである。
私は、これは、「スポーツ新聞」 にも感じる。
日本のスポーツ新聞というのは、「芸能界情報」 というのが、どこの新聞にも必ず載っている。
そして、日本人は、頭がおかしいのか、「スポーツ新聞」 と看板を掲げて活動しているにも関わらず、スポーツ新聞の一面が芸能人の話題になることは、普通である。
日本人は、これを異常だと思わないようだが、普通の国ではまず起きないことである。
また、日本のスポーツ新聞は、私は、今はどうか知らないが、20世紀は、店で売られているスポーツ新聞には、「猥褻 (わいせつ)情報」 が必ず掲載されていた。
「ソープ・ランドなどの性風俗店の紹介情報」、「風俗嬢のインタビュー」、「エロ漫画」、「女性のヌード写真」、「新作のアダルト・ビデオの紹介情報」、「AV女優のインタビュー」 などが、毎日、掲載されていた。
私は、海外旅行した際、サッカーの強豪国でスポーツ新聞を買ったことがあるが、日本のような状態では、全くない。
スポーツ新聞なので、新聞の一面は、毎日、スポーツ選手が飾っている。
また、中身を見ても、芸能界情報など載っていない。
また、「性風俗店の紹介情報」 とか、「性風俗嬢、ポルノ女優のインタビュー」 などは、一切、載っていない。
私は、以上のような事を考えると、日本のマスコミで仕事をしている人間たちは、とても下品だと思う。
恐らく、日本のマスコミは、「世界一、下品」 だろう。
私は、日本国民がこのことに関して、意識が全く無いように思う。
私は、大橋巨泉が指摘したような視点を、日本国民は全く持っていないと思っている。
つまり、日本のマスコミというのは、「儲かればいい」 という極めて単純な思考の下、活動を続けている。
「私達は、小学生に教材を販売している会社なのだから、芸能人のゴシップなどの本を売る商売は止めよう。芸能人の私生活を探る為に、探偵のように見張りをする人間を雇って、それで芸能人の写真を撮って売るのは止めよう」
とか、
「俺たちは、スポーツ新聞なのだから、新聞の一面は、スポーツ選手を載せよう。芸能人が事件を起こしたり、結婚したりした日は、その芸能人を一面に載せた方が新聞が売れるかも知れないが、俺たちはスポーツ新聞であり、スポーツ業界の繁栄の為に存在しているのだから、芸能界を特集した方が新聞の売れ行きが伸びるからと言って、そんな事をするのは止めよう」
とか、
「俺たちは、スポーツ新聞なのだから、新聞の中に『猥褻 (わいせつ)情報』 を載せるのは止めよう。そもそもスポーツは、神事なのだから、『猥褻』 な情報を載せるのは、不謹慎だろう。性風俗店の紹介とか、ポルノ女優のヌードとかインタビューを載せるのは止めよう」
とか、そういうことは、日本人は思わないのである。
そして、日本人は、なんと戦後、50年以上、こういうことをやり続けているのだ。
現在、21世紀になって、2020年になっているが、日本人の品性が上昇することは無い。
私は、本当に日本人は酷いと思っている。
このような日本人であるが、「自分達は、先進国だ」 、「自分達は、モラルが高い」 、「自分達は、上品な民族だ」 とか、そういう自己イメージを持っているのである。
私は、そこが非常に不思議である。
私は、日本のマスコミほど、下品な人間が多い国は、無いのではないかと思う。
つまり、いわゆる 「エリート」 と言われるような大手のマスコミに務める人間が、恥も知らず、「ゴシップ情報」 の分野は儲かるので、どんどん自分の雑誌・新聞に載せるという行為を構わずやるのだ。
これらゴシップ情報は、他の国では、「エリート」 ではなく、低俗な人間、低俗な会社がやる仕事である。しかし、日本の場合は、誰もが、「金 (カネ)になる」 という事で、構わずやっているのだ。
私は、本当に日本人は、どうしようもないと思う。
そして、大橋巨泉のように、「お前ら、下品だ」 と大手のマスコミの会社に対して、誰も指摘せず、批判しないことが、本当におかしいと思うのである。
それでは、皆さん、さようなら。